オランダのライデン大医学センターの研究チームがヒトの女性の全遺伝情報(ゲノム)を初めて解読した。ヒトゲノムは03年に解読が完了し公開されているが、匿名を条件に提供された複数の人のゲノムをつなぎ合わせている。個人のゲノムが解読されたのはDNAの二重らせん構造を発見したジェームズ・ワトソン博士ら男性4人だった。
オランダ科学研究機構(NWO)やAP通信などによると、同大学の女性遺伝学者マロリン・クリークさんのゲノムを解読した。今後プライバシーにかかわる部分を除いて公開を予定している。
女性のゲノム解読によって、ヒトの遺伝子の多様性がわかり、女性には通常は二つあり、男性には一つしかないX染色体の研究にも役立つという。研究チームのリーダーは「男性が4人続いたのだから、性差のバランスをとるにはいい時期だ」とコメントしている。(香取啓介)
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