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2008年05月26日(月) 00時00分

放射線物質の動物実験ごみ処理で厳重注意 広島大原医研朝日新聞

 広島大原爆放射線医科学研究所(原医研)は26日、実験で放射性同位元素を投与されたラットの糞尿(ふんにょう)が交ざったおがくずなどを一般ごみとして廃棄し、文部科学省から文書による厳重注意を受けたと発表した。

 原医研は、00年10月〜03年3月、放射性同位元素ヨウ素131と甲状腺がんとの関係を調べるため、ヨウ素131をラットに投与。01〜03年の間に計6回、ラットの糞尿がしみ込んだおがくずや新聞紙を事業用の一般ごみとして捨てていた。ごみの量は合計で、30リットル容量のごみ袋50袋分にのぼるという。

 いったん放射性物質を含んだごみの処理は、専門施設に依頼する必要があり、一般ごみとして捨てることは放射線障害防止法に違反するという。広島大は「施設内に6カ月以上保管し、放射能汚染のないことを確認してから廃棄した」と説明している。

 原医研は、ヨウ素131を放射線障害防止法に定められた量を超えてラットに使用し、使用記録に虚偽の記載をしていたことが06年7月に発覚。広島大は文科省の指示で、詳しい調査結果や再発防止策をまとめていた。

 広島大は一連の違法行為で、実験にかかわっていた放射線取扱主任者の教授ら4人を4月17日付で訓告処分にした。

http://www.asahi.com/kansai/kouiki/OSK200805260072.html