現職判事によるストーカー容疑事件で、ストーカー規制法違反の疑いで逮捕された宇都宮地裁判事下山芳晴容疑者(55)=東京都文京区千石3丁目=が、被害女性が告訴する直前の4月初め、女性を訪ねて、「僕がメールを送っていました」と認め、謝罪していたことが25日、山梨県警の調べで分かった。
県警は、下山容疑者が、事件化をおそれ、女性に告訴しないよう働きかけていた可能性があると見て調べている。県警は25日、下山容疑者宅を、同法違反容疑で家宅捜索し、パソコンや携帯電話など二十数点を押収した。
生活安全企画課の調べでは、下山容疑者は、宇都宮地裁足利支部に異動後の4月初め、被害に遭った20代の裁判所職員の女性を訪ね、匿名の嫌がらせのメールを送っていたことを認め、頭を下げて謝罪したという。
被害女性の携帯電話には2〜3月、下山容疑者から「何をしているの」などのメールが十数回送られていた。女性には同時期、数十回の無言電話がかかってきていたこともわかっている。
県警は、3月18日に被害女性から相談を受け、女性の知人らの携帯電話の通話記録を調べるため、甲府地裁都留支部に差し押さえ令状を請求した。令状は、支部長だった下山容疑者が発付した。
ストーカー規制法は、被害者の告訴が必要と定めている。下山容疑者は県警からの令状請求で捜査の進展を知った可能性が高く、女性に告訴を思いとどまらせるため、謝罪したとみられている。
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