島根県津和野町中曽野の無職有田喬（たかし）さん（８１）、ツルミさん（７６）夫妻が自宅で殺害された事件で、殺人容疑で逮捕された孫の有田直樹容疑者（２３）とみられる若い男が事件当日の２２日午後、自宅や最寄り駅の周辺をタクシーで移動していたことが県警の調べでわかった。県警はタクシーの利用時間帯から、同日午後の早い時間帯に犯行があったとみている。
県警の調べでは、若い男が２２日午後２時すぎ、ＪＲ津和野駅前から地元タクシーに乗り、「（有田さん宅がある）中曽野まで」と指示。約２０分後に有田さん宅手前の交差点で降りた。午後３時半ごろには、津和野駅前から別のタクシーに乗った若い男が隣の同県益田市のＪＲ益田駅へ向かったという。
直樹容疑者は祖父母と同居していたが、事件の数日前から運転免許証を取るため益田市の自動車教習所の寮に入り、事件当日は朝から外出していた。県警は、目撃情報などから２台のタクシーに乗った若い男はいずれも直樹容疑者で、津和野駅からタクシーで自宅へ向かって祖父母を殺害した後、益田市へ戻ったのではないかとみている。
ＪＲ益田駅へ向かった若い男はスーツ姿で、２２日午後１０時ごろに益田駅から約１３０キロ離れた県警出雲署へ出頭した直樹容疑者も同様の格好だった。