神戸市で24日に開幕した主要国(G8)環境相会合で、政府は「低炭素社会」実現に向け、国際的な研究ネットワークを立ち上げることなどをうたった気候変動問題に関する「神戸イニシアチブ」を提唱する方針を固めた。参加国から賛同を求めた上で26日に採択する議長総括に盛り込み、7月の北海道洞爺湖サミットに成果として報告する。
25日の気候変動をテーマにした討議の冒頭演説で、神戸から発する提案として鴨下環境相が表明する。鴨下氏は24日、「サミットで日本がリーダーシップをとれるよう、しっかりと神戸でまとめたい」と記者団に述べた。
「神戸イニシアチブ」では、低炭素社会研究の国際ネットワークのほか、公害対策と温暖化対策を同時に進める「コベネフィット(相乗便益)」という手法で途上国への技術協力を進めるとともに、途上国の温室効果ガス削減に必要な基盤整備としてガスを計測・報告・検証できる仕組みづくりの支援も提唱する。
さらに、産業などの部門別に削減可能量を積み上げて国別総量目標をつくる「セクター別アプローチ」について、日本政府主催で開いた国際研究ワークショップの継続を提案する。今月、パリで開いたのに続き、論議を加速させるため、サミット後に2回目の会合を開くことを呼びかける。
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