神戸市での主要国(G8)環境相会合は25日、京都議定書に続く13年以降の温室効果ガス削減の国際的枠組みについて集中的に討議した。招待国として参加した途上国は温暖化対策の様々な取り組みや提案を相次いで紹介。削減に向けて前向きな姿勢を示し、従来の南北対立の構図に変化の兆しがのぞいた。
インドネシアのヒルマン副環境相は、エネルギー分野の温室効果ガス排出量を25年までに17%削減する方針を記者団に表明。「途上国には削減義務はないが、国としての削減目標は持つ」と述べた。
メキシコのエルビラ環境・天然資源長官は記者会見で、温暖化被害を防ぐための独自の世界基金構想を発表。途上国にも排出量や国内総生産(GDP)などに応じて一定の資金拠出を求めるもので、「先進国の支援を待つだけではいけない。我が国は先進国と途上国の懸け橋になる」とアピールした。
インドのミーナ環境・森林相は鴨下環境相との会談で、各国が削減のための国別行動計画をまとめることを提案。インド自身も近く計画を発表する方針を示した。南アフリカとブラジルの閣僚らも、先進国の支援を条件に挙げつつ「途上国の行動も必要。何もやらなくていいとは言っていない」と述べた。
ただ、ある先進国の参加者は「途上国も真剣に考えているが、自主的で罰則がない削減約束にしたい狙いも透けて見える」と解説する。
国連気候変動枠組み条約のブア事務局長は、途上国の動きを評価した上で「20年にどのような目標を立てて削減していくかが重要。財政的な支援などを充実すれば途上国の関与も深まるだろう」と述べた。
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