2008年05月25日(日) 17時26分
「パワーポイント」に突如逆風 枚数も多く、コピーコストもかかる(J-CASTニュース)
プレゼン用の資料作りに必須とまで言われる「パワーポイント」。ところが、ここにきて突然の逆風が吹いている。トヨタ自動車の渡辺捷昭社長が「今は何でもパワーポイント」と疑問を呈し、「無駄ではないか」発言したことが、ネットで大きく取り上げられた。これをきっかけに、「パワーポイント」の是非を巡る論争がネットで盛んになっている。
2008年5月20日付けの「ダイヤモンド・オンライン」には、トヨタ自動車の渡辺社長のこんな発言が掲載された。
「今は何でもパワーポイント。枚数も多いし、総天然色でカラーコピーも多用して無駄だ」
もっとも、トヨタ自動車は、
「パワーポイントを使用するなという意味で発言したのではない」
と釈明、「円高や原材料高で業界全体が厳しい中、今こそ原点に帰り、仕事の効率を見直すべきだという意味で伝えた」と説明している。
■「はっきり言って無駄が多い」というコメントが多い
渡辺社長の意図がどこにあるにせよ、世界的大企業のトップの発言で、仕事の効率にかかわる事柄ということもあり、反響は大きかった。記事には400件を越すコメントが寄せられている。
「パワーポイントで会議レジュメを作る奴 ほんと多くなった。
はっきり言って無駄が多い。
普通にワードでまとめた方がいいものができる」
「パワーポイントって、単なる文字情報でいいものに、
ゴテゴテとデコレーションを施して大した事もない情報を
素晴らしいものであるかのように見せる為の粉飾技術の事」
パワーポイントを否定する理由は主に2つあるようだ。
「昔は紙1枚にまとめていた」
「起承転結に沿って作れば、1枚に収まる」
シニアの利用者からは、そんな声が上がっている。パワーポイントは操作が複雑で、資料を作ること自体に時間がかかるというのだ。さらに、
「資料造りが仕事だと勘違いしている奴が増えている事は事実。見た目は良いけど内容が薄くて見るに耐えないものもある」
といったコメントも載っている。
■カラーインク代は年間数千万円にも
コスト面の問題もある。パワーポイントで作成した資料は大抵がカラーだ。印刷すると、モノクロに比べて約4〜6倍のインク代がかかる。その上枚数も多い。
インク節約ソフトを販売するメディアナビの「インクコスト試算フォーム」によると、1000人規模の会社で1人あたり1日10枚カラー印刷すると、年間3000万円以上がかかる。
批判の声が高まる一方で、営業先への資料には欠かせないという意見も出ている。
「モノクロの簡素なものだと、『そんな程度の力の入れようなのか』と思われてしまう」
パワーポイントで作っていない資料は、「欠陥品」と思われる。そんな現実もあるようだ。
ところで、「パワーポイント」を販売するマイクロソフトは、今回の発言をどのように受け取っているのだろうか。広報担当者のコメントはこうだ。
「色々報道されているが、パワーポイントを批判したものではない。カラー印刷を使いすぎるなという意向だ」
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