国による強制隔離政策で人権を侵害されたとハンセン病元患者らが訴え、岡山地裁で争われてきたハンセン病国家賠償請求訴訟は23日、岡山県内の国立療養所元入所者の遺族1人と国との間で和解が成立した。これにより同地裁へ提訴した原告993人全員の和解が成立、8年8カ月かかった訴訟が終結する。
岡山地裁への最初の提訴は熊本地裁(98年7月)、東京地裁(99年3月)に続く99年9月。熊本地裁で原告が勝訴したのを受け、01年5月に新たに221人が岡山地裁に一斉に訴えるなど、07年12月まで49次にわたって元患者らが提訴した。岡山弁護団事務局長の近藤剛弁護士は「今後は、高齢の入所者が安心して余生を過ごせるよう活動していきたい」と話している。