【映秀(中国四川省)=阿久津篤史、成都=小林哲】中国の温家宝(ウェン・チアパオ)首相は24日、四川大地震の震源に近い映秀を視察した潘基文(パン・ギムン)国連事務総長を現地で出迎え、国際社会に効率よく支援をアピールした。
24日、震源に近い四川省ブン川県映秀に到着し、中国の温家宝首相(左)から現地の状況を聞く国連の潘基文事務総長=代表撮影
映秀で即席の記者会見に応じた温首相は、口火を切った人民日報記者を「先に海外メディアの質問を受ける」と制し、中国人記者の質問は受けなかった。温首相は「テントが足りない。国際社会の支援を求めたい」と強調。会見の途中で潘事務総長が到着すると、その場で出迎え、2人で立ち話。「世界の皆さんは、四川大地震を忘れないで欲しい」と締めくくった。
温首相の滞在はわずか1時間。会見場所近くの避難施設で暮らす女性被災者(55)は「温首相が来る? え、もう帰った?」。一般住民には知らされていない様子だった。
温首相は続いて成都に移動し、被災者支援にあたる日本の国際緊急援助隊・医療チームが活動する四川大学華西病院を訪れ、労をねぎらった。
被災者を受け入れる救急外来をまず訪問。田尻和宏団長やメンバーの医師、病院スタッフらと握手した後、病棟内を30分ほど見て回った。温首相は「レスキュー隊に続き医療チームを派遣してくれて日本政府と日本国民に感謝します」と述べた。
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