旧彦根藩主、井伊家に伝わる宝物を展示する滋賀県彦根市の彦根城博物館の館長に、井伊家18代当主の井伊岳夫さん(38)が就任することになった。井伊さんは市教委市史編さん室の主任級の職員。市は6月から始める「井伊直弼と開国150年祭」(10年3月まで)をPRする顔に最適と判断、次長級の副館長を飛び越す抜擢(ばってき)人事を決めた。発令は6月1日。
彦根城博物館長に就任する井伊岳夫さん井伊さんは彦根市長を89年まで9期務めた16代当主・直愛(なおよし)氏の孫娘の夫。現在編集が進む「新修彦根市史」の執筆委員として、彦根藩が活躍する「通史編 近世」を担当した学究肌だ。彦根城のイベントでは藩主役を務めることもあった。館長職は編さん室職員と兼務し、給与は変わらないという。
博物館は彦根藩の政庁だった表御殿があった位置に建物も忠実に再現して市が87年に開館した。直愛氏の双子の弟も長年、館長を務めるなど井伊家とは深い関係にある。