22日午後6時55分ごろ、島根県津和野町中曽野、無職有田喬(たかし)さん(81)方で、喬さんと妻のツルミさん(76)が倒れているのを帰宅した孫の高校生の少年(17)が見つけ、110番通報した。津和野署員が駆けつけると、喬さんは背中に包丁とみられる刃物が刺さり、ツルミさんは首から血を流し、2人ともすでに死亡していた。同署は殺害された疑いが強いとみて捜査している。
調べでは、自宅の東側の裏庭で、喬さんは横向きで倒れ背中に包丁とみられる刃物が2本刺さり、上半身は黒こげ状態だった。別の刃物1本が遺体のそばに落ちていた。ツルミさんは喬さんから約3メートル離れたところで、側溝に頭がかかった状態で仰向けに倒れ、足元にはナタのような刃物が2本落ちていた。
喬さんは白っぽいズボンに靴下姿。ツルミさんは灰色のシャツに紺色のズボン、長靴をはいていた。家族は「家の中は荒らされていないようだ」と話しているという。
有田さん方は喬さん夫婦と次男、孫3人の6人暮らし。次男の茂さん(50)は、遺体を発見した孫を学校に迎えに行き、一緒に帰宅。車から先に降りた孫が倒れている2人を見つけた。同署によると茂さんの息子3人のうち無職の長男(23)と連絡が取れないという。
現場は山口県萩市との県境付近。JR山口線津和野駅から北西へ約8キロ離れた山間部で、民家が点在している。
近所の男性によると、喬さんは数年前に病気を患い、視力が落ちてつえを使っていたという。別の男性(63)は「おじいさんは最近体調を崩していたようだが、おばあさんは腰が曲がっているのに一生懸命畑仕事をしていた。田植えのときにはお孫さんも手伝っていた」と話した。
近くに住む会社員の男性(66)は「喬さんとツルミさんは仲の良い夫婦だった。なぜこんなことが起きたのか」と驚いていた。