島根県は21日、県西部の診療所が3月末から約1カ月間、血糖値を測定する採血器の針を交換せずに、外来患者37人から採血していたと発表した。うち1人がB型肝炎の感染者だったことが判明したため、診療所は二次感染するおそれがある16人にワクチンを接種した。
県医療対策課によると、器具は長さ十数センチのペン状で、指先などに数ミリの針を押しつけ、採血する。同診療所では、使用していた使い捨てタイプの器具を、3月28日から六つの針を手動で回転して交換するタイプに切り替えた。しかし、複数の看護師が使い方を勘違いして同じ針で採血を続けていたという。
4月30日に患者から「針先が丸くなっていて採血すると痛い」との訴えで発覚した。厚生労働省は06年、同じ針で採血しないよう通知を出していた。