JR西日本は21日、JR宝塚線(福知山線)脱線事故を受けた安全対策として、今年度に製造する新車両から衝突時の車体強度を高めると発表した。衝突後の車内に残る空間が約2割増え、生存率の向上を目指す。また、つり革につかまっていた乗客に重傷者が少なかったとする国土交通省航空・鉄道事故調査委員会の指摘を受け、事故車両と同形式の「207系」全477両につり革を増設する。
強度対策では、屋根や側壁、床を支える柱の四隅を補強し、側壁をより硬いステンレス板とする。今年度の対象は京都、神戸線の新快速や福知山線用の40両と姫新線用の気動車19両。既存の車両は大がかりな改造の際に順次、補強工事を進めるという。
05年4月の宝塚線事故では線路脇のマンションに衝突し107人が死亡。側面から衝突して押しつぶされた2両目では57人が死亡した。