岡山市の紙製品卸会社「伊豫(いよ)商事」をめぐる巨額詐欺事件で、詐欺罪などに問われた同社専務大島敏昭被告(60)に対する論告求刑公判が21日、岡山地裁(磯貝祐一裁判長)であり、検察側は懲役14年を求刑した。判決は7月30日に言い渡される予定。
検察側は「生じた損害は過去に類を見ない多額なもの。大部分が回収不能になっている」と指摘。「全農役員へのなりすましを従業員に指示するなど大胆で悪質」と述べた。
弁護側は「(伊豫商事が)法人税の公示対象にもなっていないのに納税証明書を信用するなど、金融機関の信用調査能力の欠如が犯行を招いた側面もある」として、情状酌量を求めた。