東京都世田谷区で2003年1月、会社社長上野寿幸さん(当時65歳)が殺害され、現金50万円が奪われた事件で、別の強盗事件で韓国から身柄の引き渡しを受けた2人を含む韓国人4人が1995年以降、日本と韓国の出入国を少なくとも計70回、繰り返していたことがわかった。
多くが密入国や偽造旅券などによる不法入国だった。
警視庁は20日、上野さんに対する強盗殺人容疑で4人を再逮捕し、日韓を往復する韓国強盗団の実態解明を進める。
同庁関係者によると、主犯格とみられる趙龍翼(チョヨンイク)被告(54)は95年に来日して以来、偽造旅券などを使って16回も日本に入り、多くは10日程度で韓国に帰国していたことが確認された。共犯とみられる尹(ユン)チョルヒョン被告(56)ら3人も同様にそれぞれ5〜9回、日本に入国していた。
4人が出入国を繰り返していた90年代半ば以降、都内を中心に資産家宅を狙った窃盗事件が続発。いずれも韓国強盗団のメンバー数十人が入れ替わりながら、日韓を往復して強盗を重ねていたとみられ、趙被告ら4人は、同庁の取り調べに対し、窃盗団の一員だったことを認め、03年1月に杉並区で起きた強盗事件などで逮捕・起訴されている。
この4人は韓国でも同じような事件で逮捕されており、趙被告は窃盗で5回、強盗で2回の逮捕歴があり、尹被告ら3人も4〜6回の逮捕歴があった。趙、尹の両被告は上野さんの事件直後に帰国し、04年1月、ソウル市のマンションで約300万円を強奪したとして3月まで韓国で服役し、4月22日、日韓犯罪人引き渡し条約に基づいて日本側に引き渡された。
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20080519-OYT1T00869.htm