国土交通省は、羽田空港の国際化に向けた新たな方針をまとめた。深夜時間帯を使った国際定期便実現への条件整備などが中心。羽田の国際化は昨年5月のアジア・ゲートウェイ構想に大枠が盛られているが、国交省は国内線の拠点としての機能強化を基本にすえてきた。「方針転換」で批判をかわす狙いだ。
羽田空港に止まっている韓国の航空会社の航空機(手前)。国際化はどこまで進むか
20日の経済財政諮問会議で冬柴国交相が表明する。
羽田空港は、建設中の新滑走路完成で最終的に発着枠が年11万回増えるが、アジア・ゲートウェイ構想では10年秋の完成時に3万回を国際定期便にあてることや、深夜時間帯(午後11時〜翌午前6時)には欧米線も含む定期便の発着を認めることが盛り込まれている。
新方針では、10年秋時点の国際定期便枠は3万回のままとするが、国内線への割り当てを1〜2万回程度にとどめ、残りの枠は需要をみながら国際線枠をさらに増やす。就航先も、これまで目安としてきた国内線の最長距離(1947キロ)にこだわらず、「ビジネス需要の高いアジアの都市」に広げ、韓国や中国を皮切りに交渉に臨む。台北線などが該当する。
深夜については、時間帯を午後10時からに拡大するなど、欧米線が就航しやすいよう規制を緩和する。騒音問題などを解決したうえで、欧米諸国と交渉を進める。
国交省はこれまで「地方空港には羽田便の増枠を求める声が強い」と繰り返し主張し、羽田の国際化に消極的との批判が出ていた。
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