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2008年05月17日(土) 11時24分

日本の援助隊、母と乳児を遺体で発見朝日新聞

 【喬荘(中国四川省青川県)=小林哲、奥寺淳】中国四川省の被災地に16日入った日本の国際緊急援助隊は夜を徹して青川県喬荘地区の現場で救助活動を続けた。だが、救おうとした宋雪梅さん(28)と生後75日の娘、黄薇氷ちゃんの母子は午前7時半ごろ、遺体で見つかった。

病院職員宿舎の倒壊現場で、機器を使って調べる日本の国際緊急援助隊=16日午後、四川省青川県喬荘、樫山晃生撮影

日本の緊急援助隊の主な装備  

 日本隊は同地での捜索を打ち切り、被害の大きい北川チャン族自治県に移動する。日本隊第2陣となる29人は17日、青川県で第1陣に合流した。

 母娘を含む行方不明者3人が生き埋めになっていた病院宿舎からのがれきの運び出しはほぼ終わったが、生存者は発見できなかった。

 捜索は31人が3チームのローテーションを組んで行われた。2人が見つかったのは2階にあった寝室。宋さんは右手で赤ちゃんを抱きかかえるようにして横たわっていたという。つぶれた6階建て宿舎から手作業でがれきを取り除き、一番下の部分で発見した。

 同8時半過ぎ、母娘は同じ担架で運び出された。現場で救助活動を見守っていた宋さんの母の張香玲さん(55)は泣きながら、「2、3日前なら望みはあったかもしれないが、もうだめだろうと心の準備はしていた。日本の援助隊のみなさんにはとても感謝しています」と話した。

 小泉崇隊長は「徹夜で最大限努力したが、残念ながら遺体で発見された。中国にとどまる限り、捜索活動を続けていきたい」と話した。しかし、生き埋めになっているとされたもう1人の状況がはっきりせず、この場所での救援活動を打ち切った。

 小泉隊長は「中国政府から最も被害が大きい北川で救援活動をしてほしいとの話があった。今日中に現地入りし、作業に入りたい。過去にも信じられない時間が過ぎてから見つかった例もある。生存者がいることを前提に活動したい」と語った。

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