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2008年05月17日(土) 00時00分

コミュニティーFM9局が大連合、ネット配信へ朝日新聞

 地域密着のラジオであるコミュニティーFMが6月、番組をインターネット配信するための大連合をつくる。神戸の「FMわぃわぃ」や札幌、埼玉、神奈川などの9局が共同サイトから各局の番組を配信。秋に18局、数年中には計100局の結集を目指す。課題だった著作権処理は著作権団体側と合意にこぎ着けた。

 広告収入の確保に苦しんでいる各地のコミュニティー局が大同団結してネットに進出することで、各局とも放送区域内の電波の届かない「難聴取地域」を解消できるほか、海外も含めた区域外に新たなリスナー(聴取者)を得られるため、新規ビジネスが生まれる可能性もある。

 呼びかけたのは、ニュースキャスターで神奈川県葉山町の「逗子・葉山コミュニティ放送」社長の木村太郎氏(70)。同局の07年度の売り上げは約6千万円で、人件費、家賃などを引いた後の利益は160万円。木村氏ら役員は無報酬という。

 ネット経由で番組を流す場合は、楽曲ごとの著作権処理が新たに必要となるため、木村氏は04年からレコード会社や団体を相手に交渉。使用料で最終合意できたのは今年2月で、埼玉県鴻巣市のフラワーコミュニティ放送などと3局で先行配信している。神戸の「FMわぃわぃ」は新潟市などの局とともに6月に加わる。

 木村氏は「各局が1サイトから配信することでコスト削減できるうえ、互いに番組で競い合えれば刺激にもなる」と話す。先行3局のサイトの名はサイマルラジオ(http://www.simulradio.jp/)。(赤田康和)

http://www.asahi.com/kansai/entertainment/news/OSK200805170056.html