私も何かできないか——。中国・四川大地震で、阪神大震災などの被災地でも支援の動きが広がっている。
日中の学生たちが一緒になって被災者のために祈りをささげた=16日午後、兵庫県尼崎市、森井英二郎撮影昨年3月に能登半島地震に見舞われた石川県輪島市では16日、県立輪島高校の生徒会役員が、登校してくる生徒に募金を呼びかけた。18日の日曜日には市内の商業施設の前で募金活動をする。3年生の江上祐樹生徒会長(17)は「断水が続く中で飲料水の差し入れがありがたかった。ニュースで現地の悲惨な様子を見て、何かしたいと思った」と話した。
同県七尾市の七尾東雲(しののめ)高校は15、16日、生徒会や農業クラブが中心になって募金活動をした。17日夕もJR七尾駅前で募金を呼びかける。能登半島地震で被災した生徒や教職員も多く、「ひとごとではない」と支援を決めた。
神戸市中央区の繁華街「三宮センター街」では16日、サッカーJ1のヴィッセル神戸の選手約70人が募金を募った。「阪神大震災の時には色々な人々に助けてもらった。神戸を代表してできることを考えた」と大久保嘉人主将。
兵庫県尼崎市の聖トマス大では16日、中国の大地震とミャンマーのサイクロンの犠牲者を追悼するミサが開かれ、約60人の学生が祈りをささげた。大学には中国からの留学生が約200人おり、「被災者のために何かしたい」という留学生らが提案した。2回生の男子学生(19)は「わたしも祖父をなくしたばかり。1人亡くなっても本当に悲しいのに、あれだけの人が亡くなったのなら、何人の人が悲しんでいるか。想像できない」と話した。ミサは20日正午過ぎにもあり、だれでも参加できる。
また、神戸大(神戸市灘区)の学生と地域住民らでつくる「灘チャレンジ実行委員会」は6月1日に開く復興祭「灘チャレンジ」で、サイクロンと地震の被災者のための募金を呼びかけるビラを配る予定だ。メンバーで神戸大2回生の西山奈央子さん(19)は「地震で被災した地にある大学の学生として、現地に行けなくてもできる限りのことをしたい」。神戸学院大(神戸市西区)や近畿大(大阪府東大阪市)の学生たちも募金による支援に立ち上がっている。