派遣先の企業に職場環境の改善を求めて苦情を言った後、派遣契約を一方的に打ち切られたのは不当だとして、大阪府に住む元派遣社員の吉岡誠一さん(40)が16日、派遣先の関西電力関連企業「エネゲート」(大阪市)と人材派遣会社「テクノスイコー」(同)に慰謝料600万円と契約解除後の給与(月約30万円)の支払いを求める訴訟を大阪地裁に起こした。
訴状によると、吉岡さんは05年9月、テクノ社からエネ社の事業所に派遣され、変電機器の検査業務に就いた。約1年後、職場の照明が暗くて作業がやりにくいことや、頭髪が薄いことを社員にからかわれたことについて、エネ社の上司らに苦情を言ったが、改善されなかった。
昨年9月、「仕事量の減少」を理由に派遣契約を解除された。両社の対応について、快適な就業環境の維持に努めるよう企業に義務づけた労働者派遣法に違反すると主張している。
吉岡さんは提訴後に記者会見し、「派遣社員が安心してものを言えるよう裁判で訴えたい」と話した。一方、両社は「内容を確認しておらず、コメントできない」としている。