大津市坂本地区の地蔵安置所で、地蔵などの石像約40体がなくなっていることがわかった。現場は比叡山のふもとで、1571(元亀2)年に織田信長の延暦寺焼き打ちで亡くなった僧侶らを弔ったと言い伝えられている。地元住民らから盗難届を受けた滋賀県警大津署が窃盗容疑で調べている。
所々で石像が無くなっていた地蔵安置所=大津市坂本7丁目住民らによると、石像は近くを流れる川の整備や宅地の開発の際に出土した。地元自治会が中心となり、約10年前に現在の安置所に集めて供養してきたという。昨年から数体ずつなくなり、5日夜には、車に地蔵を乗せて走り去る不審な男数人が目撃されているという。
石像の供養をしている現場近くの専称寺の住職、西川義光さん(57)は「地域の方々の厚意で守られてきた仏様なので返してほしい」と話している。