2008年05月14日(水) 15時19分
【法廷ライブ】総連事件初公判(1)「職業は?」「弁護士です」古巣との対決に落ち着き(産経新聞)
《元公安調査庁長官の緒方重威(しげたけ)被告(73)らが、同庁が調査対象としている在日本朝鮮人総連合会(朝鮮総連)から総連中央本部(東京都千代田区)の不動産と現金をだまし取ったとして起訴された異例の詐欺事件の初公判は、14日午後2時、東京地裁104号法廷で始まった》
《緒方被告は公安庁長官を経て、天皇陛下が認証する「認証官」の検事長を2度務めた大物検察OB。無罪を主張する見通しで、検察側との全面対決に注目が集まっている》
《開廷より1分早い午後1時59分、緒方被告は紺のスーツに白いシャツ、紺のネクタイを着用し入廷。胸には弁護士バッジが輝いていた。一方、緒方被告とともに起訴された不動産会社「三正」元社長の満井忠男被告(74)は、紺のスーツに緑のネクタイを締め、手にメガネを持っていた》
裁判長「両名、前に出て立ってください」
《開廷の冒頭、林正彦裁判長が緒方、満井両被告を証言台の前に促した。傍聴席から見ると、緒方被告が右に、満井被告が左に立つ。その際、立ち位置に迷っていた満井被告を緒方被告が左手で指し示す場面もあり、緒方被告の落ち着きようが目立った》
裁判長「お名前をどうぞ」
緒方被告「緒方重威です…(その後、生年月日、本籍、住所などを述べる)」
裁判長「職業は?」
緒方被告「弁護士です」
《緒方被告の声は張りがあるが、「弁護士です」と言った言葉はひときわ法廷内に響き渡った。続いて満井被告の人定質問に移る》
満井被告「満井忠男です…(生年月日と本籍を言った後で住所を途中まで述べ)…えーと、忘れてしまってすみません」
《満井被告は動揺しているのか。裁判長に向かって頭を下げ、住所を言い直した》
裁判長「職業は?」
満井被告「会社役員です」
《続いて検察官による起訴状朗読が始まった。両被告は立ったままそれを聞いた。緒方被告は朗読中、両手を腰の前で結び、じっと聞き耳を立てている。満井被告は真正面を向き、微動だにしない》
《起訴状によると、緒方、満井両被告が罪に問われたのは次の2点。(1)元信託銀行員の河江浩司被告(43)と共謀、購入代金35億円を提供する投資家がいるかのように装い、売買代金を支払う前に総連中央本部の土地・建物の所有権登記を緒方被告が代表取締役を務めるハーベスト投資顧問に移転してだまし取った「不動産詐欺」。(2)「満井被告が支配する海外ファンドが運用する資金を引き揚げ、中央本部の購入資金に充てる。資金を引き揚げるには違約金が必要」とうそをつき、総連から4億8400万円を詐取した「金銭詐欺」》
《早口で起訴状を朗読する検察官。朗読後、ちらっと両被告のほうを見た》
検察官「以上の事実について、ご審理のほどお願いします」
《ここで林裁判長は黙秘権を告知。続いて−》
裁判長「起訴状(1)、追記訴状(2)記載の事実について間違いがないかどうか述べてもらいます」
《いよいよ検察側、弁護側の全面対決の構図が固まるとみられる罪状認否に移る。ところが、ここで緒方被告の弁護人が割り込んだ》
緒方被告の弁護人「その前に…(聞き取れず)」
《どうも罪状認否をする前に、緒方被告が意見陳述をするようだ。緒方被告は被告人席から紙を持って証言台に戻ってきた》
緒方被告「今回の件について4点に渡って申し述べさせてもらいたいと思います」
=(2)に続く
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