国土交通省近畿地方整備局は13日、策定中の淀川水系河川整備計画案に同水系の4ダムを盛り込む方針を決めた。この日開かれた諮問機関「淀川水系流域委員会」の会合後、同整備局の谷本光司河川部長が明らかにした。各分野の専門家で構成する流域委は4ダム整備を「不適切」として、原案の再提出を求める意見書を4月に提出していたが、無視する形となった。
谷本部長は報道陣の取材に対し「4ダムとも計画案に入ってくる。ダムを造ってまずいという意見はもらっていない。堤防を強化してもダムは必要」と話した。
会合では、流域委が意見書で要望した堤防強化の試算結果も公表。洪水の際に堤防の外側が削られないようにブロックなどで強化する「耐越水堤防」として、淀、宇治、桂、木津の4河川の計174キロすべてを整備すると、最大3650億円、最長195年かかるという。流域委の宮本博司委員長は、コストを下げる具体策を示した上で「過大すぎる試算でやる気のない証拠」と反発。谷本部長は会合後、「耐越水堤防が壊れない保証はなく、ダムがいらないことにはならない。(試算は)実際にやるつもりがないから、ちゃんとした計算はしていない」と話した。