東京都渋谷区の自宅で短大生の妹を殺害、遺体を切断したとして、殺人と死体損壊の罪に問われた元歯学予備校生武藤勇貴被告(23)の公判が12日、東京地裁(秋葉康弘裁判長)であり、検察側は懲役17年を求刑した。弁護側は無罪を主張して結審。判決は27日に言い渡される。
武藤被告については「殺害時は心神耗弱で、遺体の切断時には『別人格』が現れ、心神喪失状態だった」とする精神鑑定の結果が出ていた。
論告で検察側は「(被告が動機や手段、犯行態様などを述べた)捜査段階の供述内容を資料から除くなど鑑定は信用できない。完全責任能力があった」と指摘。
一方、最終弁論で弁護側は、鑑定結果や「別人格がいつの時点で現れたのか不明」とした鑑定人の証言に基づき責任能力はなかったと強調、捜査段階の被告の供述に対しては「捜査官の作文」と批判した。
起訴状によると、武藤被告は2006年12月30日、木刀で妹亜澄さん=当時(20)=の頭部などを木刀で殴打。タオルで首を絞め、水を張った浴槽に沈め殺害、包丁などで遺体を切断した。
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