初当選直後の不倫疑惑から始まり、最近では自民党の二階総務会長との会食が明らかになり、離党までささやかれている民主党の姫井由美子参院議員(49)が“生涯民主党宣言”を行った。二階氏との会食も「違う人に呼ばれて行ったら二階さんがいた」と説明。最近、私文書偽造疑惑や議員会館の事務所の壁を勝手に塗り替えたり、話題が絶えないが、当の本人は「問題ありません」と気にする様子はない。
疑惑報道の絶えない日々。
「あるサイトで『政治』をクリックすると、話題の人のコーナーに小泉元首相、小沢代表に並んで私の名前があった。申し訳ない気持ちでいっぱいです」
反省の弁を述べる姫井氏の目は笑っていた。先月には、一部で「自民党寄り」とされる民主党の大江康弘参院議員、木俣佳丈参院議員らとともに、自民党の二階俊博総務会長と会食したと報じられ、「離党か?」との声も挙がっている。
「実は、地元岡山の吉備津彦神社を国宝申請したく思っているのですが、3月2日、東スポ映画大賞で松浪健四郎文部科学副大臣と会いました。その時に『国宝について』と相談したらある日、『今日会えないか』と言われ、行ったら突然『今から二階さんが来る』と言われたんですよ」
会食を“だまし討ち”だったと説明。だがねじれ国会を解消したい自民党は、参院民主党の切り崩しにかかっていると言われている。
「民主党のほかの参加者を見て『そういうことか』とは思いました。でも私の前では政局の話は出ませんでしたし、私も二階さんに国宝の話や『リビアを視察したい』というお願いくらいしかしてません」
当選直後の不倫疑惑や、周囲の反対を押し切っての自伝出版で、地元県連からは離党勧告の声も出た。姫井氏に離党の意思はあるのか。
「ありません。政界再編か何かで民主党がなくならない限り、私は民主党所属です」
背景には小沢代表に対する思いがある。同氏の側近らでつくるグループ「一新会」には入っていないものの、常に「小沢代表のもとでの政権交代が私の目標」と“生涯・小沢党”を口にする。昨年、大連立を画策した小沢氏が何人かの民主党議員に離党の声かけしたと報じられた際は「私には声がかからなかった」と寂しがったこともある。
ただ、現在は「政局以前に自分の周りがとんでもないことになっている」状態。議員会館の事務所の内装を勝手にピンクにして周囲から苦情が出た。さらに元愛人を自称する元高校教師の男性からは、私文書偽造などの疑いで刑事告訴され、4月17日には書類送検された。
「男性からの刑事告訴は、ほかにもひどいものもあります。弁護士と虚偽告訴で“返り討ち”にという話もしているところです」
それでも、4月12日に大阪市で食らったアントニオ猪木氏のビンタも「それほど痛くなかった」と余裕の“ぶって姫”にとっては、多少のスキャンダルも屁(へ)のカッパ。
「やましいこと? 家庭も含めてまったくありませんよ」
ピンクの壁を背に、姫は不敵な表情を浮かべたのだった。
◆姫井 由美子(ひめい・ゆみこ)1959年2月14日、岡山市生まれ。49歳。82年、岡山大法学部第二部、84年、同大大学院修了。司法書士事務所を開く傍ら、99年、岡山県議に初当選し2期務める。07年7月、参院選に岡山選挙区から出馬し、自民党の片山虎之助氏を破って当選。身長149センチ。家族は夫と1男1女。
http://hochi.yomiuri.co.jp/topics/news/20080512-OHT1T00068.htm