【ワシントン=梅原季哉】米国防総省は9日、イラクやアフガニスタンで戦死し、米本土に搬送されてきた米軍人の遺体の一部が「ペット火葬場」の看板を掲げた民間施設内の炉で荼毘(だび)に付されていたことが分かったため、即日停止させたと明らかにした。
米軍は「戦死した英雄の亡きがらを尊厳ある形で遺族のもとへ帰すことほど重要な任務はない」(モレル国防総省報道官)として、イラク戦争では、遺体をおさめたひつぎをメディアが撮影することも拒むなど、神経を使ってきた。それだけに、国防総省がこの日事態を把握すると、異例のスピードで是正措置が取られた。ゲーツ国防長官は遺族らに謝罪した。
国防総省によると、海外で戦死した米軍人の遺体は、東海岸のデラウェア州にあるドーバー空軍基地に搬送されてくる。同基地内の葬儀場には火葬施設がないため、火葬が希望された場合は、複数の民間の葬儀業者に委託する。このうち一業者の火葬炉が、葬儀場から離れた場所にあり、施設の看板は「ペット火葬場」となっていた。ある米兵が戦死した仲間の火葬に立ち会って気づき、9日朝、上官に苦情を申し立てた。
ただし、実際にはこの施設内でも、ペットの遺体と人間の遺体が運ばれる炉は別だったとしている。 アサヒ・コムトップへ
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