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2008年05月10日(土) 17時01分

おじさんだけが知らない「腐女子」ワールドの実態夕刊フジ

 アキバ系の次に来るのは「腐女子」系か−。マンガ・アニメ・ゲームの世界で、美しい少年同士の同性愛(=ボーイズラブ・BL)にハマる女性が増えている。婦女をもじった「腐女子」と呼ばれる彼女たちは、同人誌で人気美少年ゲームや一般の少年マンガの男子キャラクターを勝手に“合体”させて大喜び。いったいどんな人種なのか。

 芸能界では2年前から「中野腐女子シスターズ」という女性ユニットが活動。オバカ系アイドルとしてバラエティー番組の新常連となっているスザンヌ(21)もこのユニット出身だ。

 これがBLに興味の対象を限定した一般の腐女子になると、こだわりはさらに増す。一時期「けんこじ・こじけん論争」が勃発したという。アキバ系情報サイト「ITメディア」の座談会で、30代前半の腐女子が語る。

 「『キャプテン翼』の日向小次郎(=こじ)と若島津健(=けん)とのカップリングで、受け攻めがどちらかということで大論争になった。腐女子の用語として、語順が前の方が攻め、後が受けになります。だから『けんこじ』の場合は『けん』が攻めで『こじ』が受け、『こじけん』はその逆」

 さらに、有名マンガの美少年キャラが次々に腐女子の“獲物”にされている。「SLAMDANK」や「機動戦士ガンダム」シリーズも人気が高く、その組み合わせにも相当なこだわりがあるという。

 美少年キャラのBL好きは「ヤマなし(や)、オチなし(お)、イミなし(い)」から「やおい」と呼ばれてきた。アキバ事情に詳しいジャーナリストの井上トシユキ氏(43)は「現実のスポーツ選手やアイドル、政治家も腐女子たちの妄想のままアッという間に同性愛者に変えられてしまう」と話す。

 腐女子の王道、美少年ゲームのマーケットも、拡大の一途だ。

 3月1、2日には腐女子の“聖地”と呼ばれるパシフィコ横浜大ホールで人気ゲーム「ネオロマンス」(コーエー)のファンイベントに2万人が殺到した。「同じ人気シリーズの『アンジェリーク』や『遥かなる時空の中で』も同規模の集客」とコーエー広報は言う。

 「これまでのオタクは男中心でしたが、実際には女性の方が多いといわれる。彼女たちにとっては『福田&小沢』も、本当は愛し合っているのに周りが邪魔して会うことができない悲劇のヒーロー&ヒロイン。鳩山や森といった悪役キャラまで登場させて、最後は結ばれるという“やおい”に仕立て上げる。腐女子たちの妄想力は、いまや世界レベルで拡大しているんです」。井上氏は、そう分析している。

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