7日、パリのケ・ブランリ美術館で報道陣に公開された水晶製の髑髏(共同)
パリのケ・ブランリ美術館は10日までに、16世紀まで栄えたメキシコ・アステカ文明の品と考えられてきた同館所蔵の水晶製の髑髏(どくろ)(クリスタル・スカル)はまがい物とみられるとの鑑定結果を発表した。19世紀後半にドイツ南部で作られた可能性が高いという。
水晶髑髏を題材にした人気映画シリーズ「インディ・ジョーンズ」の新作「クリスタル・スカルの王国」が近く封切られるのに合わせ、同館は20日から9月7日まで一般公開する。
髑髏は高さ約11センチ、重さ約2・5キロ。フランス博物館研究修復センターの鑑定によると、刻まれた溝や穴、目元のくぼみに近代的工具を使用した跡が認められた。
フランスの博物館に寄贈されたのは19世紀後半。それ以来続いてきた真贋(しんがん)論争にほぼ決着がついた。
アステカ起源とされた水晶髑髏は世界に12点あり、このうち大英博物館などが所蔵する2点は19世紀後半の品との鑑定が出ていた。
「未発見の品があと1点あり、マヤ文明暦の節目に当たる2012年に13点すべてを集めないと世界が滅びる」などさまざまな迷信がある。(共同)