2008年05月09日(金) 13時30分
どうして100円ショップは低価格で成り立っているの?(R25)
生活雑貨をはじめとして、台所用品、文房具、化粧品、衛生用品から食品まで、様々な商品が100円で買える、いわゆる100円ショップ。すっかり僕たちの日常にとけこんでいるが、「こんなものまで100円で売って儲けが出るの?」と驚くような商品も数多い。なぜ、このような業態が成り立っているのか、ちょっと不思議だ。その安さの秘密を業界最大手のダイソーに聞いてみた。
「大きな理由のひとつとしては、大量に商品を発注することがあげられますね。生産工場としては、たとえ単価が安くても多く仕入れてくれるなら相対的にメリットがありますから。弊社では、1商品につき数万というロット数から発注しています」
大量発注しても、店舗数が多ければ在庫リスクが抑えられる。そして、少量ずつ陳列できるのでバラエティに富んだ店作りが可能だ。できるだけ早く決済するシステムをとっているのも、生産工場には大きなメリットである。ところで、100円ショップの商品はどこで作られているのだろう?
「8割近くはアジア近隣諸国です。人件費や地代も日本よりはかかりませんし、地理的に近いので流通コストも安い。ほかに流通に関していえば、工場から倉庫や店舗に直送するため、卸業者を通す必要がありません。さらに弊社の場合、商品の7〜8割は自社ブランドです。メーカーの既存商品を仕入れるより、コストをきりつめやすく品質管理もしやすい利点がある」(同)
原価についてはバラつきがあるとのことだが、トータルで利益を出せるように商品ラインナップは計算されているのだろう。
ところでこの数年、ダイソーをはじめいくつかの100円ショップでは、100円以上の商品も並ぶようになった。ダイソーは「時代のニーズに応えるため」と説明しているが、デフレの波にのって急速に成長した100円ショップも、あらたな局面を迎えているのかもしれない。まあ、消費者、そして生産者にとってプラスなら、それに越したことはないんですけどね。
(R25編集部)
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※コラムの内容は、フリーマガジンR25から一部抜粋したものです
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