2008年05月09日(金) 13時30分
ところで、カトリックとプロテスタントはどう違う?(R25)
世界の3大宗教といえばキリスト教・イスラム教・仏教だが、そのうちのひとつ、イスラム教徒の数が初めてカトリックを上回ったという話が最近報じられた。でも、イスラム教にスンニ派とシーア派があるように、カトリックもキリスト教のいち宗派。実際、全体でみれば、イスラム教徒が世界人口の約19%なのに対し、キリスト教徒は約33%。やっぱりキリスト教徒のほうが多いらしいのだ。
するとキリスト教にはほかにどんな宗派があるのか。その代表といえるのが「プロテスタント」。カトリックとプロテスタントというのは誰でもなんとなく聞いたことがあるはずで、ああ、なんかカトリックのほうがプロテスタントより規律が厳しいんでしょ、とかよく語られたりもするのだが、じつはこのふたつ、そんな単純な違いではない。
話は中世のヨーロッパにさかのぼる。16世紀当時のカトリック教会は強大なローマ帝国の国教として欧州全土に強い影響力を持っていたのだが、あまりに長いあいだ権勢を保持し続けたために慢心し、腐敗していた。そのカトリックの堕落に対して起こったのが宗教改革で、この運動から生まれたのがプロテスタント—。つまり、プロテスタントとは、このときカトリック教会とローマ法王の権威を否定して新しい宗派をつくった人々の総称で、もともと「プロテスタント」は「抗議する人」という意味なのだ。
それだけに両者の違いは根深い。たとえば、カトリックにはローマ法王を頂点にしたピラミッド型組織があり、聖書と並んでローマ法王にも権威をおくが、プロテスタントの場合、神のまえでは聖職者も一般信者も平等で、信仰のよりどころは聖書のみ。十字架をみても、カトリックではキリストがはりつけにされていることが多いのに対し、プロテスタントはただの十字架なのだ。
クリスマスにバレンタインデー、チャペルでの結婚式と、キリスト教のイベントが大好きなわれわれ日本人—。しかし、そのキリスト教にもいろんな歴史と教えが横たわっていたりするのである。
(R25編集部)
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※コラムの内容は、フリーマガジンR25から一部抜粋したものです
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