愛知県豊田市で下校途中の女子高校生の遺体が見つかった強盗殺人事件で、女子高生の携帯電話が発する微弱な電波から、愛知県警が現場を絞り込んだことが5日、わかった。この割り出し作業は殺害の翌日の3日未明から始められたという。県警特別捜査本部は、遺体のすぐそばに落ちた被害者の携帯電話を犯人が持ち去らず、電源も切らずに、そのまま現場を立ち去った可能性があるとみている。
調べでは、殺害された愛知教育大付属高1年の清水愛美(まなみ)さん(15)の携帯電話は、豊田市生駒町の田んぼで発見された遺体のすぐ近くで見つかった。全地球測位システム(GPS)機能は付いていない。
家族から捜索願を3日未明に受けた豊田署は、明け方にかけて、携帯電話の検索を携帯電話会社に依頼。現場から南へ約600メートル離れたアンテナで、女子高生の携帯電話が発した微弱電波を感知したという。
電源の入った携帯電話は、常に微弱な電波を発しており、これを近くのアンテナで感知すれば、アンテナからの方角やおおよその距離が分かる。また、最後の着信からも位置を測ることができる。こうした情報をもとに、捜索に加わっていた家族の知人が遺体を見つけた。
発見時に携帯電話は壊れていたと、特捜本部は説明している。遺体が見つかった3日午前5時半ごろまでに、田んぼの泥水が浸透するなどしたとみられる。
これまでの調べで、女子高生は2日午後7時前に学校を出ていることが確認されている。通常帰宅するはずの午後7時半ごろから家族らが繰り返し電話をかけ、メールも送信したが、まったく応答がなかったという。
一方、女子高生の首に巻かれていたビニール製の粘着テープは、幅が3.7センチで一般に市販されているタイプのものであることがわかった。特捜本部は、犯人が事前にテープを購入し、計画的に犯行に及んだ可能性もあるとみている。 アサヒ・コムトップへ
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