愛知県豊田市駒場町の愛知教育大付属高校1年清水愛美(まなみ)さん(15)が下校途中に殺害された事件で、清水さんが帰宅時に所持していたとみられる体育用ジャージーが見つかっていないことが、県警特捜本部の調べで分かった。犯人が、清水さんから奪ったショルダーバッグの中から持ち去った可能性があるとみている。
調べでは、清水さんのバッグは、遺体発見現場から約15キロ南東の同県岡崎市稲熊町の川ののり面で見つかった。教科書や参考書計22冊や弁当箱などは残されていたが、中にあるはずのジャージーはなかった。バッグの口は開いていた。
学校関係者によると、清水さんはマネジャーをしていたサッカー部の練習中、紺色のジャージーを着用。練習後は部室や教室には置かず、自宅に持ち帰ることが多かった。事件当日の2日にも着用していたが、学校からは見つかっていない。
こうした状況から、犯人は帰宅途中の清水さんを襲った後、バッグを奪って岡崎市まで移動。中からジャージーを持ち去ったとみられる。
司法解剖の結果、死因はビニールテープで口をふさがれたり、殴られた際の出血が気道に詰まったことによる窒息死と判明。口の周りにテープによる強い圧迫のあとがあった。
遺体発見時は首を7重にテープで絞められたのが死因とみられたが、特捜本部は犯人が騒がれないように口をふさいだ後に首にずれたとみている。
顔は目の辺りを中心に、激しく殴られた内出血が数カ所あり、鼻からも血が出ていた。右手の人さし指には切り傷があり、刃物で切られたか、自転車で転倒した際にできたとみられる。
現場検証で、現場付近の路上に清水さんのものとみられる血痕が見つかった。遺体があった田んぼの足跡などの状況から、単独犯の可能性が高い。
特捜本部は、情報提供を求めるフリーダイヤル=(0120)400538=を設置した。
(中日新聞)