2008年05月02日(金) 12時00分
自国の車を買わない中国人:躍進する中国自動車市場の現状は(WIRED VISION)
中国人の自動車に対する欲求は衰える兆しを見せないが、その嗜好は変化している。中国国内の自動車メーカーの人気が急落しているのだ。
調査会社の米J.D. Power and Associates社による調査で、中国で販売された自動車の5台に4台は、初めて自動車を所有する人たちによって購入されていることが明らかとなった。
中国では2000年以降、自動車販売の伸びが800%を超えており、この爆発的な成長率ゆえに、同国は日本を追い抜いて世界第2位の自動車市場になった[第1位は米国]。
しかし、中国大手自動車メーカーのGeely社やChery社は、トヨタ自動車や本田技研工業、日産自動車などの同業社よりもかなり販売台数が少ない上に、売り上げの伸びは停滞しており、さらには落ち込みさえしている。
それでは、勝者となっているのはどの自動車だろうか?
その快適性、信頼性、スタイリングにより、中国で人気を博しているのは、上海GM社[米General Motors社と上海汽車工業の合弁会社]の『Buick Excelle』、独Volkswagen社の『Jetta』、トヨタの『カムリ』などだ。
[初めて自動車を購入する]中国の消費者たちは、アナリストらの予測よりも速いペースで、違いが分かるようになってきているようだ。特に信頼性の点が、Geely社とChery社の不振の理由になっている。中国では、自動車の修理費が、欧州や日本、米国よりもかなり高額になる可能性があるため、信頼性の低い車は敬遠されるのだ。
インドTata社の2500ドル自動車(日本語版記事)『Nano』が目下話題となっているインドでも、中国と同じような傾向が現れるのかどうかはまだ分からない。
Nanoは、インド主要都市の至るところで使われているオートバイの代用品として広く考えられており、上質のイタリア製スーツよりも安価だが、故障に腹を立てたオーナーたちから非難されることになるかもしれない。
『Yugo GV』に対する米国人の怒りは、同ブランドの自動車を永久に米国から追い払ってしまった。[1985年にユーゴスラビアから米国に輸入された自動車。リアウィンドウにデフロスターが装備されていたが、「自動車を押すときに手が冷たくならないためだ」などと揶揄されたという。]
一方、早くから米国市場に参入していた韓国のHyundai Motor(現代自動車)社やKia Motors(起亜自動車)社の場合は、信頼性に関する深刻な問題と急速な価値低下に苦しんだが、そこから持ち直し、成長を続けている。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080502-00000002-wvn-sci