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2008年05月02日(金) 00時00分

硫化水素自殺が急増 御浜のNPO 相談回線を緊急増設読売新聞

新たに携帯4台、防止へ活動
携帯電話で相談に応じるメンバー

 硫化水素を使った自殺者が急増していることから、自殺防止に取り組む「NPO国際ビフレンダーズ」加盟の東京、大阪、宮崎、熊野(三重)の各自殺防止センターは1日、緊急対応として常設電話に加え、新たに携帯電話での相談回線を設け、自殺防止への相談の取り組みを強化した。

 同センターは1974年に創設され、世界37か国で約400団体、3万1000人のボランティアが、電話相談を中心に、面接や遺族の集い開催などの活動を続けている。

 電話相談はこれまで、24時間態勢の大阪以外は、午後6時〜翌朝6時まで対応してきた。しかし、硫化水素による自殺が全国で急増し、2次被害も発生していることから、各センター共同で4台の携帯電話による受け付けを決めた。14日までの予定。相談の反応次第で、延長するという。

 御浜町の熊野自殺防止センターにはこの日、受け付け開始から、30代の男性から「職場での差別に悩んでいる」などの訴えがあった。東京自殺防止センターのディレクター加藤勇三さん(70)は「自殺は一つの要因によるのではなく、病気や経済的困難など複数の要因が重なった時に至る傾向がある」と分析。同センターに所属する国内組織の創設者、西原由記子さん(75)は「自殺を防ぐには人とのつながりを持つことが大切。人に相談する勇気を持ってほしい」と話していた。

 受け付けは午前10時〜午後4時まで、携帯相談電話は次の通り。▽080・1354・8990▽080・1344・7090▽090・8242・9980▽090・4842・7673まで。

http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/mie/news/20080502-OYT8T00081.htm