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2008年05月02日(金) 15時00分

海外先物取引、規制強化へ=高齢者の被害拡大で−経産省時事通信

 海外市場を対象にした商品先物取引で高齢者の被害が多発している。経済産業省は農林水産省の協力を得て、規制強化に乗り出した。既に専門家による検討委員会を設置し、取引実態を把握するとともに、業者の登録を義務付けるなどの具体策を6月までにまとめる。
 海外商品先物取引に加え、規制対象には「ロコ・ロンドン取引」と称する金の現物まがい取引や、仕組みが複雑な海外先物オプション取引など、元本を上回る損失が出る恐れがある証拠金取引が含まれる。最近、被害が急増しているロコ・ロンドン取引は、本来は、銀行や鉱山会社などの事業者が、ロンドンでの受け渡しを前提に日々行っている現物売買を指す。ところが、業者が勝手にその名称だけを使い、「100万円を預ければ毎月一定額が口座に振り込まれる」などと言葉巧みに勧誘し、消費者が預託金の大半を失うケースが増えている。
 2007年度に国民生活センターに寄せられた、これら取引に対する苦情は900件に達し、前年度を3割余り上回った。そのほとんどが高齢者で、「取引内容を理解できないまま700万円を預けてしまった」「預金する感覚で300万円を渡したが残高がほとんどなくなった」などの訴えが相次いでいるという。
 両省は、ホームページでの注意喚起のほか、悪質な業者には業務停止処分を出すなどして対応しているが、被害は減っておらず、抜本的な対策を講じることにした。 

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