食品偽装表示問題で経営が行き詰まり、民事再生手続き中の高級料亭船場吉兆(大阪市)が、休業前の昨年11月ごろまで、同市中央区の本店で客が食べ残した料理を別の客に提供していたことが2日、分かった。
引責辞任した湯木正徳前社長(74)の指示で続いていたという。一連の問題で表面化した旧経営陣の利益優先体質があらためて浮き彫りになった形で、高級料亭としてのモラルが問われそうだ。
大阪市保健所によると、こうした食品の再利用は、食材の品質が保たれ、食べても健康を損なう恐れがなければ食品衛生法に抵触しないという。
同保健所は「飲食店として道義的な問題はある」として2日、同社に立ち入り調査し、今後は繰り返さないよう行政指導した。
湯木前社長は調理場で従業員に「使えるものは何でも使う」と指示していた。