2008年05月02日(金) 23時54分
船場吉兆、大阪市保健所が立ち入り 「由々しき事態」厳重注意(産経新聞)
高級料亭「船場吉兆」(大阪市中央区)が、客が食べ残した料理を別の客に提供していた問題で、大阪市保健所は2日午後、「食品事業者としてあってはならない」などとして食品衛生法に基づく立ち入り調査を行った。
市保健所の調査に対し、同社が使い回しの事実関係を認めたため、口頭で厳重注意するとともに、再発防止について行政指導した。
同社取締役の山中啓司・本店料理長は同日夜、同社本店前で「このたびの不祥事について大変お騒がせして申し訳ありません」と謝罪した。
山中料理長は報道陣に対し、湯木正徳前社長(74)の指示で5〜7年前から使い回しが常態化していたことを認め、「前社長の『もったいないから再利用しろ』という指示で、品数が足りなくなったときに使い回していた。(1月の)営業再開後は一切やっていない」と釈明。
一方、創業者の三女で女将の湯木佐知子社長(71)が使い回しを認識していたかどうかは「分からない」と明言を避けた。
市保健所の調査によると、使い回されていたのは、アユ塩焼きなどのほか、稚アユの素揚げ、サーモンの焼き物など計6品目。
それぞれ再加熱して別の客に提供していた。
刺し身については使い回しは否定しており、添え物(つま)にしていたゼラチン料理を再調理していたという。
市保健所は「健康被害がなければ法的責任は問えないが、由々しき事態で放置できない。厳重注意のうえ、今後こういうことが起きないよう指導した」と話している。
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