2008年05月01日(木) 13時00分
「飛行機は自動車よりCO2排出量が少ない」:旅程を比較するツール(WIRED VISION)
フィンランド航空が二酸化炭素(CO2)排出の問題に積極的に取り組んでいるのを知ることは喜ばしい。実際、北欧の航空業界のトレンド・セッターであるフィンランド航空は、世界的なCO2問題に対する取り組みに関して非常にオープンかつ率直だ。同社は、乗客のためにCO2排出量計算機を開発し、同社ウェブサイトのホームページからリンクを張っている。
これはシンプルだが、とてもクールなアプリケーションだ。出発地と目的地を入力すると、航程の全距離、乗客1名あたりの燃料消費量、その燃料によって排出されるCO2量が算出される。
乗客1人あたりの燃料消費量の算出については、異なる飛行タイプごとの一般的な燃料積載の割合(長距離便はタンクの85%、レジャーフライトは95%など)を計算に入れている。また、機種によって燃費に違いがあるため、各航程でどの種類の飛行機が使用されるのかも考慮してある。
典型的な北欧人らしい徹底ぶりで設計されたこの計算機では、さまざまな拠点空港を使う乗り継ぎ方法の違いが、CO2の排出にどのように影響するのかを確認することも可能だ。
世間に出回っているオンラインCO2排出量計算機の多くには、オフセット(相殺)プログラムが付属している。これは「CO2排出量を測定するためのツールを提供するので、この情報を利用してオフセットを購入しよう」と言っているようなものだ。
だが、フィンランド航空の場合、そのような手は使っていない。飛行をクリーンにするのは、航空便を利用する乗客ではなく航空会社の責任であり、この計算機は単なる参考情報よりも意味のあるものだと、同社は説明している。
もちろん、この計算機がPRの一環であることは明らかだ。CO2排出量の情報をオープンかつ率直に公開することにより、環境問題がフィンランド航空にとって優先課題であることを旅客らに伝えているのだから。この計算機が悪いアイディアだと言っているわけではないが、完全に利他的な意図だけではないということだ。
[日本を含む世界各地について計算が可能。例えば東京からアムステルダムに行った場合、自動車でのCO2排出量は161グラム/キロメートル、飛行機での排出量は75.60グラム/キロメートルと、飛行機のほうが排出量がかなり低いと表示される。
なお、ワイアードの別の英文記事では、米国国内の旅程(ボストンーセントルイス間)について飛行機と自動車の旅行を比較。自動車より飛行機のほうが1人あたりCO2排出量が低いほか、安全性、時間、価格についても飛行機のほうが優れていると結論している。]
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080501-00000003-wvn-sci