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2008年05月01日(木) 08時00分

巻き添え防止には避難の一手 硫化水素自殺産経新聞

 硫化水素自殺で、発見者や周辺住民などが巻き添えになる“二次被害”が深刻化している。30日も大阪市内のマンションで大阪地検の男性事務官(20)が自殺し、住民ら約20人が避難した。硫化水素はガスの毒性が強い上、拡散の度合いが読めないため、二次被害防止には決め手がないのが現状という。

 硫化水素ガスは「卵の腐ったようなにおい」が特徴。日本中毒情報センターによると、800〜1000ppmの高濃度では、一呼吸で即死する可能性もあるほど急激な中毒症状にかかる。においを感じる前に巻き添えになることもある。ガスが無色で空気より重いために拡散しにくく、現場にかけつけた消防隊員が不調を訴えるケースも。高知県内の住宅で起きた自殺では、発生現場の3階より階下にガスが拡散し被害が拡大した。二次被害のパターンは一定ではない。

 総務省消防庁は「現時点では早期の適切な避難が最善」としており、全国の自治体に十分な装備の消防隊と連携して住民の二次被害を防ぐよう通知している。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080501-00000077-san-soci