全国で硫化水素自殺や避難騒ぎが相次いでいることを受け、警察庁は三十日、硫化水素の発生方法を記したインターネット上の書き込みを、傷害や傷害致死事件などを誘発する「有害情報」に指定した。民間団体を通じてプロバイダー(接続業者)やサイト管理者に削除を要請することを決めた。
自殺者の多くがネット情報を参考にしているとみられ、情報が周囲の人を巻き込む傷害や傷害致死事件を誘引すると判断した。警察庁は削除要請については「強制力はないが、少しでも自殺や二次被害拡大に歯止めをかけたい」としている。
自殺誘引、復讐(ふくしゅう)の請負などの有害情報をめぐっては、二○○六年六月から、警察庁から委託を受けた民間団体「インターネット・ホットラインセンター」が一般からの情報を受け付け、プロバイダーやサイト管理者に削除を求める制度が始まった。