2008年04月30日(水) 16時51分
税制関連法を再可決、ガソリン税の暫定税率が復活(読売新聞)
ガソリン税の暫定税率を復活させる改正租税特別措置法などの税制関連法は、30日午後の衆院本会議で、憲法59条の「みなし否決」規定により、与党など衆院の3分の2以上の多数で再可決され、成立した。
政府は同法を即日公布し、4月1日に失効した暫定税率を5月1日から復活させる政令を臨時閣議で決定した。これにより、ガソリン価格には、1リットル当たり25・1円の暫定税率上乗せ分が加わる。ガソリン価格の再値上げなどにより、世論や野党の反発は一段と強まる見通しで、福田政権は引き続き厳しい政権運営を迫られる。
福田首相は30日夜に記者会見し、「結果的に、政治の混乱のツケを国民生活に及ぼすことになった。便乗値上げが行われないよう、監視する」と述べた。
30日に成立した税制関連法は、改正租税特措法などの国税関係2法と改正地方税法など地方税関係3法からなる。2月末に衆院を通過後、参院が議決しないため、与党は憲法59条の規定を56年ぶりに適用した。
民主党など野党は強く反発している。民主党の菅代表代行は30日、記者団に「問責決議案については最も効果的な時を考えて判断する」と述べ、今回見送った福田首相に対する問責決議案の参院提出を引き続き検討する考えを示した。
30日の衆院本会議は、民主党議員が河野衆院議長の議場入りを妨害し、午後1時の開会予定が1時間ずれ込んだ。本会議では、与党が提出した税制関連法案を参院が否決したとみなす動議を可決し、参院からの返付後に再可決した。
民主、社民両党は本会議を欠席。国民新党は最初の本会議は出席して反対、2度目の本会議は欠席した。共産党はいずれも出席して反対した。税制関連法のうち、国税関係の賛否は337対12、地方税関係は336対12だった。自民、公明両党議員の造反はなかった。
ガソリン税は製油所からの出荷時に課税される「蔵出し税」のため、各ガソリンスタンドには4月末までに仕入れた在庫がしばらく残る。店頭価格は1日にも多くのスタンドで上がると見られるが、値上げ幅はばらつきが出そうだ。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080430-00000033-yom-pol