2008年04月30日(水) 08時18分
暫定税率復活160円台でも… まだまだ割安、日本のガソリン(産経新聞)
揮発油(ガソリン)税の暫定税率が復活すれば、1リットル当たり平均130円程度のレギュラーガソリンが5月以降、160円台の史上最高値へと急騰しそうだ。ただ、世界的に二酸化炭素(CO2)排出量削減のためにエネルギー消費抑制を目的とした課税強化が進むなか、国際比較では日本のガソリン税は割安との指摘もある。日本で盛んなガソリン値下げ論は、海外から「環境問題に消極的」と受け取られかねない側面も持つ。
「世界では温暖化対策としてガソリンに対する税金を引き上げる傾向にある」「(値下げすれば)日本はガソリン消費を増やそうとしているという誤ったメッセージを発することになる」
3月末、福田康夫首相は、ガソリン税の暫定税率期限切れを目前にした会見で、こう語った。
首相の頭にあったのは、先進国と日本のガソリン関連の税負担の差だ。石油情報センターによると、日本の暫定税率込みの今年3月第5週時点でのガソリン価格は153円で、税負担率は約40%(61円)。課税強化が進む英国など欧州各国に比べると日本の税負担は軽いことがわかる。OECD(経済協力開発機構)加盟29カ国の中でも、日本の税負担率、税負担額は2007年4〜6月期で6番目に低い。
財務省主税局では、「海外には、ガソリン代が高くなれば車を使わなくなり、CO2の排出が抑えられるという発想がある。欧州各国ではガソリン税の税率が引き上げられる傾向にある」と説明する。
政府内でも暫定税率の復活と道路特定財源の一般財源化を地球温暖化防止対策促進のチャンスととらえ、ガソリン税を環境税へ振り替える論議が活発化しそうだ。ただ、ガソリン再値上げには「実質的な増税」と反発が根強いのも確か。
ガソリン税は家計を直撃する問題に違いないが、「目先の値上げ、値下げにとらわれない議論が必要」(政府関係者)な時期にきているのかもしれない。
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