店頭での品薄が続く家庭用バターを、乳業各社が5月から大量に増産することになった。5月の増産分は230トンで、全国の月間消費量の約2割に相当するという。これにより5月中旬から順次、昨年と同量のバターが市場に出回ると、農林水産省はみている。
原料となる生乳の減産などにより、バターは昨年末から業務用を中心に品薄になり始め、家庭用も一部のスーパーでは品切れ状態。農水省から増産を検討するよう要請されたことを受け、乳業各社はチーズ加工用の生乳をバター用に回すなどして融通する。
若林農相は30日の閣議後の記者会見で、「バターの品薄は改善されると期待している」と述べた。
乳業各社は一方で、生乳価格の値上げなどを受け、バターの値上げを決めており、森永乳業が今月21日から約11%値上げしたほか、雪印乳業と明治乳業も5月1日からそれぞれ8%前後上げる。増産で品薄が解消されても、値上げの方針は変わらないという。