日本たばこ産業(JT)は、JTグループの冷凍食品部門のすべてを今夏をめどに、子会社の冷食最大手の加ト吉に移管する方針であることが29日、明らかになった。中国製冷凍ギョーザの中毒事件で売り上げが低迷している冷食事業の立て直しが狙いだ。
JTグループの冷食部門は、大半がJTフーズにある。第1段階として、製造部門を加ト吉本体に移し、営業部門は新会社を作り、加ト吉の傘下に収める。第2段階として、システム統合を終えてから営業部門も加ト吉本体に吸収する見通しだ。
当初、JTグループは日清食品、加ト吉の3社で冷食部門を4月に統合する計画を進めてきたが、冷凍ギョーザの中毒事件で日清が離脱し、残る2社の統合が遅れていた。
移管後の加ト吉の冷食売上高は500億円増の約2500億円となる。冷凍食品の国内市場は約1兆円で、約25%のシェア(占有率)を占める。
冷食部門を移管した後のJTフーズは飲料部門を主力事業とした会社になる。