2008年04月29日(火) 10時00分
「硫化水素自殺」巻き添えどう防ぐか(日刊ゲンダイ)
●高知では90人が病院へ
硫化水素による自殺連鎖が止まらなくなってきた。25日は、東京・有楽町の高級ホテル「ザ・ペニンシュラ東京」のほか、横浜、大阪、神戸、さらに北九州市でも発生。1日で男女7人が死亡した。
「ザ・ペニンシュラ東京」では、1泊14万円の「デラックススイート」(116平方メートル)に泊まっていた岡山県の47歳の会社員が浴室で自殺。異臭に気づいたホテルマンが部屋のドアを開けると「硫化水素による自殺のため入室にあたっては注意してください」というメモがあったという。
硫化水素による自殺は、4月に入ってから全国で50件以上発生している。この自殺の怖さは、巻き添えを出すことだ。23日には高知県の市営住宅で中学2年の少女(14)が自殺し、近所の住民90人以上が病院で手当てを受けた。
「硫化水素による自殺が急速に広まっているのは、ネットで『練炭自殺より苦しまずに死ねる』などと具体的な方法が紹介されたからです。実行する時の注意点として、『ガス発生中。入るな』などの張り紙をすることなど手順も説明している。ほとんどの自殺者が張り紙をしています」(事情通)
巻き添えを防ぐには、どうしたらいいのか。
「硫化水素は卵が腐ったようなにおいがするのが特徴です。濃度が低いとせき込んだり、頭痛や吐き気を引き起こす程度ですが、濃度が高い場合は数回呼吸しただけで死亡します。変なにおいがしたら、とにかく逃げること。もし、助ける場合は、風上から石などを投げてドアを叩き壊し、すぐに119番することです」(神奈川大教授・常石敬一氏=科学史)
巻き添えにあっても、賠償金を得るのは難しいという。
「交通事故の被害者と同様に慰謝料を請求できます。しかし、自殺した人が大金持ちでもない限り、泣き寝入りするしかないのが現実でしょう。クルマのような自賠責もないし、犯罪被害者給付金も支払われません」(中島章智弁護士)
こんなハタ迷惑な自殺もない。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080429-00000008-gen-ent