2008年04月26日(土) 07時07分
福岡市消防局 巻き添え防止策呼び掛け 『腐った卵の臭い→風上へ』 市民向け文書作成(西日本新聞)
硫化水素によるとみられる自殺が全国で相次ぎ、巻き添え被害も多数出ていることから、福岡市消防局は25日、現場の特徴や避難方法を知らせる市民向けの文書を作った。注意を呼び掛ける啓発でも「自殺をあおりかねない」と慎重な姿勢の地方自治体が目立つ中、福岡市は巻き添え防止には必要と判断した。文書は区役所や公民館などに置いて配布する。
文書では、硫化水素を吸い込むと鼻などに痛みが生じ、高濃度の場合は死に至る恐れもあると注意。「卵が腐ったような臭(にお)いがする」「複数の洗剤のボトルがある」と現場の特徴を挙げ、風上に避難して119番通報するよう呼び掛けている。福岡市内でも今年、硫化水素による自殺が2件起きている。
福岡県によると、市民向けの文書は同県内では初めて。同県消防防災課は「啓発でかえって自殺行為をあおる恐れがある。一方で、ガス発生の場合は現場から離れるのが原則だが、応急措置で命が助かる場合もあり、多くの自治体は啓発に慎重になっている」と話す。その点は福岡市でも議論になったというが、「巻き添え防止に啓発は必要。正しい知識で対応してもらうため」として作成した。
=2008/04/26付 西日本新聞朝刊=
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080426-00000012-nnp-l40