2008年04月26日(土) 12時17分
<聖火リレー>中国人を“挑発”したチベット側支援者、スタート前から小競り合い(オーマイニュース)
中国人サポーターに埋め尽くされた聖火リレーのスタート地点周辺の沿道では、午前6時過ぎに早くもチベット側支援者と中国人側との小競り合いが起こった。
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当初は、沿道でチベットの旗を掲げようとした支援者が警官に移動を求められ、「なぜ移動しなければならないのか」「彼ら(中国人)も旗を振っているのに、なぜ自分が旗を振ってはいけないのか」などと、警官と軽い言い合いに。それを目にした沿道の中国人たちが「中国、がんばれ!」といった趣旨の歓声を上げた。
チベット側支援者の男性がその中国人たちに向かって何かを言ったらしく、一部の中国人と軽い言い合いに。割って入った警官が、チベット側支援者を囲んでガードする。この緊張状態を察知したメディアの一部がチベット側支援者の周囲に駆けつけたため、今度はガードする警官たちとメディアが小競り合いになった。
■チベット側が「帰れ!」と叫んだ
騒ぎが収束した後、記者(藤倉)はチベット側支援者の近くへ移動。チベット側支援者7〜8人は、警官が設置した柵に囲まれ、その周囲を警官にガードされる形。記者を挟んでその反対側では、中国人応援団がすし詰め状態で歌を歌ったり旗を振って叫んだりしている。
チベット支援者によると、
「警察官に、危険だからこの場所からどくように、と言われた。しかし、私たちが移動しなければならない理由はない。危険なら守るのが日本の警察の役割ではないのか」
一方、中国人側に、先ほどの騒ぎの理由を聞くと、こんな答えが返ってきた。
「我々は『中国がんばれ』『オリンピックがんばれ』と言っているだけ。ところがさっきは、むこう(チベット支援者)が中国語で我々に『帰れ!』という意味の悪い言葉を言ったんです」
■中国側は「中国がんばれ」に徹する
しばらく、チベット支援者と中国人に挟まれた位置で、両者を観察してみた。記者の右手にいた中国人男性が、記者の左手にいるチベット人に声をかけようとする。
警官「いいから、やめなって。ケンカになるだけだから」
男性「ケンカしないよ。だって、理解したいじゃない」
警官「こんな場所で話しても理解なんかできないから。ねえ?」
記者「まあ、そうですよねえ」
警官「ほら、この人も同じ意見だ」
そのとき、チベット側支援者たちが大声で「帰れ!」「虐殺糾弾!」と声を上げ始める。中国人男性個人に向けて言っているわけではないのだが、男性は少し悔しそうな顔をする。しかしすぐに中国人側が「中国がんばれ!」と連呼して応戦したが、そのときには、中国側から明らかな攻撃的態度は見られず、「中国がんばれ!」「オリンピック」という意味の言葉以外はほとんど聞かれなかった。
■チベット側支援者は全員日本人
「帰れ!」と連呼するチベット側支援者は、とても楽しそうに笑顔を見せながら大声を上げている。チベットとどんな縁がある人々かは知らないが、地元新聞社の取材に対して全員日本人だと答えていた。聖火リレーがスタートして、第一走者である星野仙一氏の姿が見えなくなるまで、チベット側支援者の集団の顔ぶれはほとんど変わらなかった。
チベットを応援するのはいいことだと思うが、日本人集団がチベットの国旗を振って中国側を挑発し、言い合いや小競り合いの原因を作るとは。いったい、何がしたいのか。
(記者:藤倉 善郎)
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