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2008年04月25日(金) 00時00分

愛媛の誤認逮捕和解「今後起きないよう部下を指導」朝日新聞

 99年に窃盗容疑などで逮捕、起訴され、1年余りの勾留(こうりゅう)後に真犯人が見つかり無罪が確定した愛媛県宇和島市の男性(59)が、自白を強要されたとして慰謝料などを求めた国家賠償請求訴訟が25日、高松高裁(紙浦健二裁判長)で和解した。国が和解金100万円、県が同500万円を支払う。

 和解条項の前文には、愛媛県警と松山地検が今後は適正な捜査権の行使に努める、との文言が盛り込まれた。06年1月の一審・松山地裁判決は警察官による自白強要を認めず、男性の訴えを棄却していた。男性の弁護団は「県警と地検が捜査の違法性を認めたと言える実質的な勝訴だ」と評価した。

 和解後、二宮義晴・県警刑事部長は男性に口頭で「今までつらい思いをされたと思います。今後こういうことがないよう部下を指導していきます」と謝罪。男性は「二度と同じことが起きないようにしてほしい」と応じた。

 男性は99年2月、知人女性宅での窃盗事件に絡んで宇和島署で任意の事情聴取を受けた際、警察官から「証拠がある。実家や会社に迷惑がかかるから早く認めた方がいいぞ」と迫られ、うその自白をした。公判中に、別の事件で高知県警に逮捕された男が犯行を自白し、00年5月に無罪判決を受けた。

http://www.asahi.com/kansai/kouiki/OSK200804250092.html