これから初夏にかけて香りや味がよい国産のグリーンアスパラガスが出回る。家庭料理で旬を味わってみてはいかが。
「アスパラガスの緑色をきれいに引き出すには塩を入れた熱湯で短時間にさっと湯がくのが大事」と料理研究家の小森秀子さんは話す。根に近い部分の皮を皮むき器でむいたら、1〜2分ゆでて水で冷やす。長く煮ると色が落ちるので注意したい。
まずはアスパラガスとイカの中華いため。
<アスパラガスは4〜5センチ程度の長さに斜めに切ってゆでる。イカは皮をむいて松かさ状の切り込みを入れてから2×4センチの大きさに切り分ける。お酒と塩少々で下味を付け、うまみが逃げないようにかたくり粉をまぶしさっとゆでる。サラダ油を熱して薄切りのショウガをいため、香りが出てきたら、アスパラガスとイカを加えて強火でいため、酒大さじ1杯、塩小さじ2分の1杯、砂糖同1杯、コショウで味を調える>
「出回り始めた新ショウガを使うと、香りが素晴らしいですよ」と小森さんは勧める。
次に定番のアスパラガスの豚肉巻き。七味唐辛子をかけるとスパイシー。サンショウなどが入った黒七味でもおいしい。細めのアスパラガスを用意し、根に近い硬い部分は切り取る。ここではゆでずに生をそのまま使い、さわやかな歯ごたえを楽しみたい。
<アスパラガスは3本一まとめにして、塩、コショウをした豚肉2、3枚でクルクルと巻き、かたくり粉を少々まぶす。フライパンにサラダ油を熱し、肉の巻き終わりを下にして焼き始め、ころがしながら、しょうゆ、みりん、赤唐辛子を加え、全体を焼き上げる。最後に七味をかけて仕上げる>
出来上がった豚肉巻きは適当な長さに切って、お皿に並べる。
「切り口は鮮やかな緑で食欲をそそります。スパイシーで冷めてもおいしいので弁当のおかずにもぴったり」と小森さん。
野菜の甘さを味わうには天ぷらなどの揚げ物もよい。今回はアスパラガスのビール衣揚げに挑戦。
卵の黄身と卵白を分けて、衣を混ぜるのがこつ。黄身と小麦粉、ビール、塩、サラダ油を混ぜ、最後に泡立てた卵白を切り込むように混ぜる。そうすることでさっくりした衣ができあがる。
<アスパラガスは根に近い部分を皮むき器で削る。5、6センチの長さに切る。1本ずつ、衣をたっぷりつけて180度の中温の油で揚げる。食べる時にレモン汁をかけて>
【材料2〜3人分】
■アスパラガスとイカの中華いため グリーンアスパラガス大1束(200グラム程度)/イカ1パイ(胴のみ)/ショウガ薄切り10グラム/サラダ油大さじ1/2杯
■アスパラガスの豚肉巻き グリーンアスパラガス9本/豚ロース薄切り150グラム/しょうゆ大さじ1/2杯/みりん同1杯/赤唐辛子小口切り少々/七味唐辛子か黒七味少々/サラダ油大さじ1杯
■アスパラガスのビール衣揚げ グリーンアスパラガス1束(150〜200グラム)/小麦粉1/2カップ/ビール1/4カップ/卵1個/サラダ油大さじ1〜2杯/塩小さじ1/2杯/レモン1/2個
アスパラガス 南ヨーロッパ原産の野菜。土をかけ日光に当てないで育てるとホワイト、十分日光に当てるとグリーンアスパラガスになる。グリーンの選び方のポイントとしては、穂先が堅く締まっており、緑色が濃く、重いものがおいしいという。