2008年04月25日(金) 12時00分
NTT、人体をデータの伝送路にする技術を製品化(WIRED VISION)
自分が身に着けているすべてのガジェットを、わずらわしい配線なしにネットワーク化できる『パーソナル・エリア・ネットワーク』(PAN)は、これまでのところ、マニアの夢でしかなかった。
ところが、NTTは4月23日、人体の表面をデータの伝送路とする『ヒューマン・エリア・ネットワーク』(HAN)デバイス、『Firmo』(フィルモ)評価キットのサンプル販売を開始すると発表した。
微弱な交流電界を使用するこの装置は、現時点でのデータ通信速度は230Kbpsにとどまっているものの、10Mbpsの高速通信が可能なデータ通信版の研究開発も行なわれているという。
ただ残念なことに、これはわれわれが当初イメージしていたPANのたぐいとは少し異なるようだ。この製品は、たとえば、ヘッドフォンとMP3プレーヤーとコントローラーをすべてワイヤレスに接続できるようなネットワークを作り出すのではなく、(ポケットに入れた)『Firmoキー』を、他のデバイスに組み込んだ『Firmoリーダ』に接続するというものだ。
そのため、本当のパーソナル・ネットワークというよりは、接触式のRFIDソリューションといった感じだ。とはいえ、わずか80万円でこの評価キットを手に入れれば、[身体をオーディオ・ケーブル代わりに使う]ボディ・ステレオの自作を試みることもできる。
『RBB TODAY』の「NTT、人体の表面を伝送路とするヒューマンエリア・ネットワーク技術を開発」を取り上げた『Pink Tentacle』の記事を参考にした。
[プレスリリースによると、たとえばドアノブなどに触れるだけで認証が可能になる。また、「無線のように信号を空間に向けて広く放射しないため、触れた時にその相手とだけ通信するなど、他との干渉が無く空間分解能の高い通信が実現」できるという利点もあるという。]
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080425-00000001-wvn-sci